強度近視(度が強い・近視が強い)人の眼鏡フレーム選び
こんばんは。
大阪市天満/扇町/南森町の眼鏡店ARBOR(アーバー)です。
さて、ここのところ眼鏡選びのコツをちょこちょこと更新しておりますが、今回のテーマは、眼鏡屋にとって永遠の課題とも言える内容です。
強度近視(度が強い・近視が強い)人の眼鏡選び。
どーん!
すごいでしょう?
ご覧のように、強度近視のレンズは分厚いです。
最も薄くなる高屈折率のレンズを使っても、ある程度の厚さは避けられません。
真ん中の部分は薄いので、フレームのレンズサイズが小さければ小さいほど、分厚い端の方を使わなくて済み、薄く軽く仕上げることはできます。
しかし、レンズがどんなに薄くて楽でも、
気に入ったフレームを選んだはずなのに、仕上がりにガッカリする…
目が小さく見えてしまうために、素顔の印象からかけ離れてしまう…
そこにショックを受ける方が非常に多いです。
では、
普段の雰囲気になるべく近い眼鏡
ひょっとしたら素顔よりも素敵に見える眼鏡
を選ぶにはどうしたらいいのでしょうか?
自身も強度近視である店長が、色々なフレームに実際にレンズを入れて、掛け比べをしてみました!
今回掛けるフレームは上の4本。
使用するレンズ度数はS-9.25D。
私店長が普段使っているのとほぼ同じ度数です。
Case 1
大きくてフチが目立たないフレーム
(MASAHIRO MARUYAMA MM-0012 Gold/Silver)
(左:試着時)
アシンメトリーで個性的だけど、フレームが主張しすぎずいい感じ。
ややゆったりめのサイズで良いバランス。 (右:仕上がり時)
顔全体がぼんやりとし、ちょっと寂しい印象。
小さくなってしまった目が、顔の中で点のように見えて、より小さく感じられます。
正面から見える輪郭の凹みや、側方から見えるレンズの厚みや渦も目立ちます。
レンズの存在感が強すぎて、「度の強い人」という印象になり、フレームの特徴や美しさには目が行きにくいです。
Case 2
大きくてフチが目立つフレーム
(MASAHIRO MARUYAMA MM-0026 purple)
(左:試着時)
目元の印象がくっきりとして良い感じ。
フレームが大きいから小顔に見えそう!
(右:仕上がり時)
フレームの中で「目が点」になってしまうため、ちょっと寄り目に見え、思ったほど小顔効果はありません。
フレーム+レンズの体積と重量が大きいので、鼻に跡がつきやすい、痛くなりやすいなど、少々使いにくい点も生じてきます。
ただし、遠くから見たらさほど目の小ささは気にならなりません。
また、レンズ、フレームともに存在感と重量感があるため、良い意味で人の記憶には残りやすいですね。
しかし、大きなレンズの場合どちらも気になるのが、輪郭の凹みと、側方の渦。
これらのせいでいわゆるビン底眼鏡という印象になってしまうんです。
そして今回実感したのですが、大きなレンズは周辺部に歪みが出やすいため、かなりクラクラしました。もっと性能の高いレンズであればこんなことはなかったかもしれませんし、一度慣れてしまえば気にならないと思うのですが、ちょっと時間はかかりそうです。
Case 3
小さくてフチが目立たないフレーム
(Zparts Z-91-G)
(左:試着時)
シンプルで上品な印象。
軽いのは良いけれど、視界が狭いし、顔が大きく見えそう。
(右:仕上がり時)
レンズが小さいおかげで、とにかく薄くて軽くて楽です!
輪郭の凹みも写り込みません。
また、度が強いとレンズ周辺部の視界に歪みを感じてクラクラすることがありますが、レンズが小さいとそもそも「周辺部」が存在しないので、違和感が少なくて自然な見え方でした。
とにかく使い勝手の良い眼鏡に仕上がっています。 ただ、目が小さく見える分、ちょっと顔全体がぼんやり、地味な印象です。
左がCase 1、右がCase 3。レンズの大きさの違いによる厚みの違いは、一目瞭然です!
Case 4
小さくてフチが目立つフレーム
(Anne et Valentin STRATIVARIOUS 1760)
(左:試着時)
フレームはかわいいけれど、ちょっと派手でうるさい印象。
眼鏡が小さくてなんだかちょっと窮屈。
(右:仕上がり時)
レンズが入ると、目が小さく見えるので、ちょうど良いバランス感に!
フレームで囲まれた部分全体が「目元」としてまとまって見えるので、今回のフレームの中で一番目元がくっきりして見えます。
目が小さく見えても、色味を足してあげることで、顔全体の印象が寂しくなりません。
きっと色々な人に「眼鏡の似合う人」とお顔を覚えてもらえるのではないでしょうか。
いかがでしたか?
もちろん、どのフレームも、使ったレンズの度数、設計、加工方法は全く同じです。
やはり、度の入っていない試着時と、度の入った仕上がり時とで、印象が変わることは避けられません。
でも、Case 4の眼鏡は、度なし/度ありの印象の落差が一番少ないと思いませんか?
自分で思うよりちょっと小さめで、ちょっと派手なデザインの眼鏡は、ガッカリ度合いが少なくなります!
もちろん、何が正しくて何が間違っているということではありません。
今回掛けたフレームは、どれも素晴らしいデザインです。
同じフレームでも、お顔の大きさ、黒目の位置、レンズの設計などによって仕上がりは千差万別です。それぞれのお好みや個性も考えると、お一人お一人に最適なフレームやレンズは違ってきます。
また、フレームの形やデザイン、お顔の中での眼鏡のバランス感には、流行りすたりがあります。
時にはいつもと違うデザインにチャレンジしてみたい!ということもあるでしょう。
デザインはどうであれ、どうしても広い視界が必要なご職業もあります。
人それぞれ、眼鏡選びにおいて譲れないことはあると思います。
ただ、
私自身常々感じていることなのですが、度が強い(近視が強い)人の根本的な悩み、それは、レンズが厚いことでも眼鏡が重いことでもないのです。
度の強い眼鏡を掛けると目が小さく見える
ブサイクに/かっこ悪く見える
だから、眼鏡を掛けたくない!
ここに尽きます。
現代の技術では目が小さく見えること自体は解決できませんが、
それでもかわいく/かっこ良く見える眼鏡は、あります!
第一印象を、「目の悪い人」ではなく、「素敵な眼鏡を掛けた人」「眼鏡の似合う人」に変えてみませんか?
目は一生物。
度が強い・近視が強い方こそ、眼鏡なしで一生を過ごすことはできません。
ちゃんと眼鏡姿が素敵に見える、お気に入りの眼鏡を見つけて、今までよりも少し自信が持てたら。
長時間のお仕事でコンタクトの装用がしんどい時、トラブルで突然コンタクトを使えなくなった時、年齢を重ねいよいよコンタクトをやめなければならない時も、きっと、余裕で乗り切ることができますよ!
ぜひ一緒に、お気に入りの眼鏡を探してみましょう!
最後にコツをもう一つ。
強度近視の女性は、眼鏡をかける時は普段よりアイメイクを3割増にしてみてください!
目もメイクも小さく見えてしまうので、ちょっと盛り過ぎくらいで大丈夫です。
ぜひ試してみてくださいね。
——————————-
その他、ご予算やご予約、当日の持ち物などにつきまして、ぜひ下記リンクもご覧くださいませ。
——————————-
纒オプティカルのInstagram投稿もぜひご覧ください→ 強度近視ショー
——————————-